記者は、子供の頃からここにお肉屋さんがあるなあとは思っていましたが、実は入るのは初めて。
「和豚もちぶたグルメレポート」第6回は、宇都宮市の清住通りに店を構えて106年!有限会社大浦商店さんからお届けします。
ご主人の大浦晃二さんは4代目。普段は奥様と、先代の奥様(=お母様)でお店を切り盛りしているそうです。
20世紀のはじめからつづく街のお肉屋さん
表の幟でもわかるとおり、大浦商店さんは和豚もちぶたととちぎ和牛の二枚看板。
お中元やお歳暮の時期には、日頃自宅用に買い物をするお客様から、
「和豚もちぶたをブロックで」とか「とちぎ和牛とセットで贈りたいんですけど」といったリクエストが増え、
臨時でパートの方をお願いするほど忙しくなるのだとか。
自分が食べておいしいと思ったものを、自信を持って贈るというのは、贈られる側もうれしいですね。
「和豚もちぶたの販売を始めたのはいつ頃からですか?」
「けっこう昔からですよ。関口肉店さんで扱いはじめた頃から仕入れてます」
「購入の決め手は?」
「脂がおいしいとはよく言われますね。肉そのものももちろんおいしいんですが、
惣菜に使ってもおいしくできるんです」
「人気のお肉はなんですか?」
「バラや肩ロースがよく出ます。ケースに並んでいるのはスライス済みですが、
どうやって食べるか教えていただければ、それに合わせてスライスしますよ」
同じ焼き肉でも、ホットプレートや鉄板で焼くなら薄め、 網で焼く時は網目から落ちないように少し厚めがいいそうです。
部活の差し入れにコロッケ・メンチ!
コロッケやメンチ、チャーシューやポテトサラダなど、「昔ながらのお肉屋さんのお惣菜」も人気です。
和豚もちぶたを使ったコロッケと、和豚もちぶたととちぎ和牛を絶妙な割合で混ぜたメンチは、注文を受けてから揚げるので、揚げたてがたべられます。 毎日の食卓に出すおかずとして買いに来るお客様はもちろん多いのですが、大浦商店さんの周辺には学校が多く、部活動の後でお腹をすかせて立ち寄る学生さんも多いのだそうです。時には、部活動への差し入れとして、大量に購入する方もいるとか。
ご厚意で、各種お惣菜を試食させていただけることになりました。
奥様がお皿に盛りつけ、奥へどうぞとすすめてくださったのをいいことに、
このところすっかり試食担当と化した記者Tと記者Oさんがお店の奥まで上がり込みます。
・・・と。
そのすぐ脇に、お肉の塊が!!
大浦商店さんでは和豚もちぶたを1頭買いして、お店で加工しています。
1頭が約80キロくらいあり、週に2頭分くらいは出るのだそうです。
大浦商店さんと周辺の学校との繋がりはここにもあります。
最近、加工済みの食材を買ったり、調理されたお惣菜が食卓に上がることが増えたこともあり、
中には、自分が食べているものがもともと何なのか、また、それがどういう形態をしているのか知らない、
という子供も増えているのだそうです。
そうした状況に危機感を覚えた方たちが、
食育の一環として、小学生を連れて大浦商店さんを見学に訪れます。
「そういう社会科見学も楽しそうですね」
「びっくりしてますよ。
こんな状態の肉を見る機会もなかなかないでしょうし、
そもそも豚がこんなに大きいと思わないようです」
毎日見慣れたお肉屋さんの奥には秘密がある。
記者Tも、子供の頃、自宅近くのお肉屋さんにおつかいに出された時、
運よく奥の冷蔵庫が開こうものなら、首を伸ばして中をのぞこうとしたものでした。
お肉屋さんのコロッケ・メンチ・お惣菜を食す
うっかり加工前の和豚もちぶたに気をとられて、揚げたてコロッケとメンチが冷めるところでした!
「おいしそうな香りがしてますよ~」
「まず割ってみましょうか」
こちらはコロッケ。見た目にもホクホク感を感じます。
「いただきま~す」
一口かじったとたん、二人揃って黙りこみました。
じっとコロッケを見る。
「・・・おい・・・しい・・・!」
奥様が食卓にソースも出してくださっていたのですが、まったく必要なし!
お肉やじゃがいもといった素材の味はちゃんと活きているのに、しっかり味もついているんです。
「ご主人、この味付けは!?」
「企業秘密です」
ですよね~!
もちろん揚げたてですから、熱っ熱のサックサク。
部活帰りでお腹をすかせた学生さんには、最高のおやつですね。
メンチは粗め。
切ったり割ったりしても、肉汁が溢れてきません。
とにかく肉の割合が多く、粗めの肉が舌の上で「肉食べてます!」と主張する隙間に、肉汁が入り込んでうまみを濃くしています。
こちらも調味料なしで十分いけます。
続いてポテトサラダ。
舌触りはさらさらとほくほくの間という感じでしょうか。
マヨネーズ特有の酸味がなく、とてもマイルドな味です。
「マヨネーズもうちで作ってるんですよ」奥様が教えてくださいました。
ハムと野菜のマリネも、ドレッシングは自家製だそうです。おいしいはずです。
和豚もちぶたの絶品チャーシュー
これはもう和豚もちぶたの本領発揮ですね。
とにかく「脂がうまい」んです。よく冷えた脂が口の中でとろける触感は、何度味わってもやみつきになります。
使用しているのは、足の一部で「シキンボー」という、1頭から2つしか取れない部位だそうです。
また必ず買いに来る! と心に誓った記者Tでした。
おまけ
次の日も、仕事帰りに買いにいってしまった記者T。
サラダ系のお惣菜はほとんど売り切れていました・・・(;O;)
おいしいものは、早い者勝ち。