秋雨前線と台風で、さすがの残暑もひと段落した9月某日。
あいにくの雨模様の中、取材スタッフは今回も臼居芳美先生のお宅を訪れました。
今回ご紹介するのは、旬をむかえたリンゴを使った「豚肉のリンゴ巻き」です。
以前「家めし応援隊」で臼居先生にご紹介いただいた際も大人気。たくさんの「いいね!」をいただきました。この「リンゴ巻き」をあらためて「黄金のレシピ」として伝授いただくことにしたのです。
キッチンを舞台に名優たちが勢揃い!旬の味覚を味わい尽くす
まずは今回のラインナップのご紹介
もちろん主役は、われらが「和豚もちぶた」のバラ肉。
生姜焼きよりは若干薄めのスライスです。
脇を固めるのは、旬の「リンゴ」と「梨」。
リンゴ巻きは旬のリンゴならどんなものでもOK!これからの季節、リンゴはいろいろな種類が時期ごとに出回りますね。リンゴ巻きにする場合には、日が経って少しフカフカしてしまったものでも大丈夫♪加熱するのでおいしく食べられるのです。
今回は「信濃スイート」という品種を使いますが、お好みで固めなもの・酸味が強いものにもぜひトライしてみてくださいね。
梨はリンゴより旬の期間が短いので、この時期にぜひトライしたいフルーツのひとつ。しっとりとした果肉の洋ナシに比べしゃっきり感がある和梨は、外国人の方にとっては珍しく、興味を持たれる方も多いのだとか。 梨を加熱するお料理はなかなか見かけないので、始まるまえから興味津々のスタッフ。今回使う品種は「豊水」です。
続いて今回のバリエーションのご紹介を。
簡単・時短のバターライス
玉ねぎのみじん切りをいためたり、オーブンで焼いたりしなくてもOK。炊飯器でかんたんに本格的なバターライスができます。洗った米3合に、通常より少な目のお水、ブイヨン1個・バター大さじ2杯くらい・塩小さじ1/2くらい(お好みで加減)をいれて、普通の炊飯器で炊き込みます。パラっと仕上げたいのでお水は少なめにするのがコツ。寿司めしを炊く容量で、お水は1割減くらいにします。
ポテトと玉ねぎのソテー
じゃがいもと玉ねぎを小さく切って、オリーブオイルと塩コショウでソテーします。どんな料理のつけあわせにもよく合う一品です。薄く切ったリンゴを一緒に炒めてもおいしいのだとか。
ふっくらレーズン
レーズンをお水につけて一晩置くだけで、プックリと膨らんで見た目にも食感もいいアクセントになります。お好みで白ワインでもどしても美味♪リンゴとレーズンは相性◎ですね。蒸し焼きの際に一緒に入れていきます。
ブルーチーズ
ブルーチーズをリンゴと一緒に巻いたものも作っていただきます。できあがったらクルミを散らして、カフェメニュー風の一皿に仕上げる予定。今回は先生のお気に入り「ブルー・ド・ジェックス」という銘柄を使いました。
その他のつけあわせ
・フレッシュ・ハーブ
今回はイタリアンパセリ・オレガノ・ローズマリー・セージの4種類を用意。ドライハーブでももちろんOKです。
・ゆで上げたパスタ
ペペロンチーノ風に味付けをしたものでも、味付けをしていなくても、お好みでOK。
キッチンを舞台に、すべての配役が出そろいました。
バターライスを入れた炊飯器のスイッチを入れたら、いよいよ調理開始です。
和豚もちぶたバラ肉の深いコクと
さわやかなフルーツの絶妙なセッション
さて「豚肉のリンゴ巻き」のクッキングスタートです♪まずはリンゴを切るところから。
リンゴ・梨は皮・芯を取り除き、6等分~8等分くらいにくし形に切っておきます。(以下「梨巻き」も同様の調理方法です)
バラ肉は一枚ずつひろげ、軽く塩コショウをします。
今回のバラ肉は長めのスライスなので、リンゴ全体が隠れるように、すこしずつずらしながららせん状に巻きつけていきます。スライス肉が重なっている部分は、丁寧に広げながら巻きつけるようにすると、熱の通りも均一で綺麗な仕上がりになります。
お肉のスライスが小さい場合リンゴがはみ出してしまいますが、とくに問題ありません♪
オリーブオイル(大さじ1杯程度)をひいたフライパンに、お肉のつなぎ目を下にしてリンゴ巻きを置き、中火で焼いていきます。サラダ油でもOK。コクを出したい場合はバターを使ってもいいですね。
まずは各面に焼き目を付けていきます。
反対側の面と背中(?)側もよく焼いて、全体にまんべんなく焼き目をつけていきます。
焼き目がついたら、白ワインを大さじ3杯ほどふりかけ、レーズンとフレッシュハーブを散らします。
今回入れたハーブは「イタリアンパセリ」「オレガノ」「ローズマリー」「セージ」の4種類。フレッシュハーブがなければドライハーブでももちろんOKです。この段階で、塩味・バターなどお好みで味を調整してもいいですね。
蓋をして、汁気がなくなるまで蒸し焼きにします。蓋をしたら最低1分程度蒸し焼きに。ここで全体に火が回るのでリンゴ・梨にお肉の風味がしっかり移っていきます。こげないように様子を見ながら、水分をとばしていきます。
フライパンの表面がオイルだけになってピチピチしてきたら焼き上がりです。時間は火力や分量によって適宜調整してください。
先生のキッチンでは3分程度でいい感じに焼きあがりました。
こんがり焼き目がついたお肉は、香ばしそうな照りが出た「キャラメリゼ」状態。
フレッシュハーブのグリーンと、ふっくらしたレーズンが見え隠れして、食欲をそそります。
ということでキッチンステージはいよいよ、すべての名優たちが出そろうエンディングへ。
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先生ご愛用グッズ
電動のスパイスミルがふたつ。ヒマラヤのピンクの岩塩とブラックペッパーがはいった、スタイリッシュなボトルでした。手回しでなく電動だと、均等に塩コショウがふれるので重宝しますね。
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ワンポイントアドバイス
キレイな焼き目をつけるためには、フライパンに置いた直後は返したり動かしたりしないのがポイント。せっかちさんは少しだけ我慢してくださいね(笑)
コクと旨味をまとったフルーティな一品
和豚もちぶたのリンゴ巻き・梨巻きを堪能
和豚もちぶたのバラスライス300gとリンゴ・梨・レーズンを中心に、今回もまた、ちょっとしたパーティー1回分をこなせそうなお料理が出来上がりました。さまざまなアレンジで、盛り付けの組み合わせを考えるのも楽しい時間です。
ひとつめのお皿は、ゆで上げたパスタに、ポテトと玉ねぎのソテー、フレッシュバジルを添えたら、全体に軽く塩コショウをふります。フライパンに残ったオイルは、和豚もちぶたバラ肉の旨味が溶けでた最高のソース。これを白いお皿に描くようにふりかけていきます。
もうひとつは、こんがり焼きあがったリンゴ巻きに、お子様ランチ風に盛り付けたバターライス、ポテトと玉ねぎのソテーにイタリアンパセリやスイスチャーブなどのハーブ添え。 あっという間に、おしゃれなフレンチ風ランチプレート2種のできあがり♪
ほかにも、ど~んとご飯のうえに乗せたもの、いろいろ盛り合わせたパーティープレート、ゴルゴンゾーラチーズ入りのリンゴ巻にクルミを添えたおつまみプレート風などなど。 あれこれ楽しく迷いながら盛り付けたら、いよいよ試食タイムへ~~
まずは「リンゴ巻き」から。こんがり焼きあがったバラ肉の深いコクにリンゴのしゃきしゃき感、ほんのりとした甘み・酸味も感じる絶妙な味わいです。
ブルーチーズを一緒に巻いたほうは、チーズがいい具合に溶けて、全体にほんのりブルーチーズが香る大人の味。ワインによく合いそうです。
つづいて気になる「梨巻き」。焼き立ての香ばしい風味につつまれて、梨のほのかな甘味としゃきしゃき感もちゃんと生きています。甘味の強い大根?とも思えるような歯ごたえで、さっぱりとした食感が楽しめました。
先生のアドバイスで、ちょっとお醤油をたらしてみたら、あっさりと上品な和の一品に!
りんご・梨、どちらも水分をたっぷり含むフルーツですが、絶妙の焼き加減で水っぽくなることもなく、いくらでも食べられそうです。
ふっくらとしたレーズンやハーブが
味のいいアクセントになっています。
今回は300gほどの和豚もちぶたバラ肉スライスを用意しましたが、
リンゴと梨が大ぶりだったこともあり、3~4人でお腹いっぱい食べられるくらいのボリューム感。
試食と称して相当な量を食べたわりには(笑)、さっぱりとした後味と満足感が得られました。
豚肉巻きは、お肉と野菜・フルーツなどが一度に食べることができる便利な調理法です。海外のレシピでよく見かけるように、お肉とフルーツとの組み合わせはとても味わい深いもの。酵素が含まれているフルーツなら、お肉を柔らかくする効果も期待できます。
日常的にお肉とフルーツを組み合わせることの多い欧米に比べて、
和食ではあまり見かけないような印象もありますが、
酢豚にパイナップル、冷麺に梨、フルーツソースをかけたポークソテーなどなど・・
「お肉」と「フルーツ」の組み合わせは、意外と身近なところにあったりするのです。
試食をしながらの雑談も、いつしか「他にどんなものを巻くとおいしい?」という話題に。
皆の賛同を得られたのは、先生おすすめのアスパラや茄子。
フルーツではマンゴー、メロンなどが候補にあがっていました。
皆さんも、お好みのフルーツや野菜を巻いて、ぜひぜひトライしてみて下さいね。
外はあいにくの雨でしたが、
季節の味覚をたっぷり堪能したスタッフの頭の中には、
さわやかに澄んだ秋空が広がっていた今回の取材でした。
分量のおさらい
豚肉のりんご巻き(梨巻き)
- 豚バラ肉薄切り・・・・・6枚(約300g)
- リンゴ・・・1個 (または梨1個)
- オリーブ油・・・大さじ1
- 白ワイン・・・大さじ3
- 塩・コショウ・・・適量
バターライス
- 米・・・3合
- 塩・・・小さじ1/2
- バター・・・大さじ2
- 固形ブイヨン・・・1個